医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

日本におけるヒューマンエラーによる事故分析ツールは・・・(Tさん・その他医療従事者)

1.  背景
日本におけるヒューマンエラーによる事故分析ツールは、柳田邦雄 氏から紹介された4M-4Eマトリックス法、SHELモデルに始まり、近年においてはRCA、Medical SAFERが分析ツールとして使用されている。しかし、これらの分析ツールは時間プロセスおよび業務システムわかり難く、医療リスクマネジャやリスク専門家でないと多大な時間を要する。しかし、多くの現場では、現場での業務に終始し、事故分析や対策を構築する時間も少なく、また専門家すら存在していないのが現状である。(日本には医療リスクマネジャ養成機関がない) そうした中で早急に事故防止対策を構築するには、日常業務システムからエラ-発生の構図を知り、患者の被害過程の変化が瞬時に知れるプロセス図を描く必要がある。これによりリスクの専門家を必要とせず、事故対策構築時間の短縮は可能になる。
そこで、日常業務の基本システムに、事故当時の事象を加えた『業務流れ図』を作成し
それに時間的変化を加えた「患者被害度」を挿入することで、ヒュ-マンエラ-の構図の展開が可能になる。このヒューマンエラーの展開から、事故対策案の構築までのツールを提案する。
2. 『業務流れ図』の作成から事故対策構築までの方法
① 事故の起きたシステムを時間軸に沿って並べる。ただし、ここで記入した業務は、医療事故とは関係なく一連のルーチン化された手順、ルール業務のみを記入する。
② エラ-プロセスを視覚的に理解するために、事故当時の業務を追加する。時間的なズレ、緊急業務、機器によるトラブル等があれば記入する。
③ 医療従事者によるエラ-業務の時点と患者に傷害を与えた時点、事故発覚時点を追記し、時間系列によるリスクの潜在時間、エラ-による患者影響度の大きさ(変化)を記入する。
3. Why Diagramを用いた事故対策の構築
事故対策案の構築には、「何故そのような行動をとったか?」その要因から、発生原因を推定する。推定できない場合は、Why Diagramを繰り返す。その結果、現場においてその要因が当てはまった場合、その要因の裏返しが対策として構築される。また「原因」及び「結果」から事故対策を考えるだけではなく、「何故エラーが見つからなかったのか?」はエラ-潜在期間の時点、リスクが時間と共に変化している時間もWhy Diagramを用いることによって、対策案の構築が可能である。対策案を構築しても、再発を犯す理由は、システムの変更やスタッフのローテーション、患者の急変等の突発事故がある。Why Diagramは組織や業務システムの変更、緊急トラブルに対応の可能性についても言及することが可能である。
4. まとめ
時間分析法の主要な点を示す。
(1)「業務流れ図」を用いた時間分析法は、日常業務と事故が起きた時の業務とが比較検証が可能である。このため、日常業務プロセスの欠陥、特殊な業務(シナリオ)に介在するエラ-原因を明解に区別し見つけ出すことができる。
(2)事故による患者被害度の推定が可能であり、エラーパターンに対応した対策を構築できる。(エラ-後の対応も可能)
(3)事故事象を「業務流れ図」に展開することにより、異種医療従事者や初心者 (専門的知識を持たない医療従事者) の参加が可能であり、多面的な視点から分析ができる。これは、事故対策の構築する為の時間を短縮することが可能である。
以上の結果から本ツールは、医療業務システムにおける信頼性向上と患者の安全性確保に資することができる。

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