医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

私は「全国医師連盟 準備委員会」に参加している、外科勤務医です。(匿名希望・医師)

私は「全国医師連盟 準備委員会」に参加している、福井県の外科勤務医です。
キーワードは、「持続可能な医療介護制度の構築」と考えている。
現在の、医療や介護従事者の、過重労働と低賃金のままでは、高齢者社会到来に向けて、医療介護の提供が破綻することは目に見えている。
医師や看護師の過重労働は、急性期病院が最も問題になっている。そこで、労働環境改善のため、急性期病院数を半減し、医療従事者を集約することが必要である(後方病院を確保すれば病床数も減らすことは可能)。集約によるスケールメリットで、医師の交代勤務を可能とする。特に外科系診療科の集約は必至で、労働条件の改善以外に、手術件数確保による手術レベルの標準化や若手医師への持続的教育が可能となる。さらに、常勤麻酔医不在での手術が減ることにより、麻酔の安全性も向上する。
次に、今後急速な増加が予想される、急性期病院からあふれる患者さんの収容先を確保するために、現在予定されている、療養型病床群の削減を大幅に遅らすことが必要である。介護を在宅へ誘導する現在の方針は、施設で介護するより、労働力が分散することから高コストとなり、さらに、家庭内の介護者が労働できないことによる、GDP低下圧力ともなる。高齢者人口が減り始める時期までは、療養型病床群を維持しないと、安定した医療介護体制が提供できないと考える。
医師養成数に関しては、現在の医学部定員を大幅に増加しても、医師増加が達成できた頃に本格的人口減少社会となり、また教育する人材が不足しているという現実がある。一方、国家試験合格者に占める女性の割合増加により、20年前と同じ医学部の定員まで増加しても、実質労働力は低下する。そこで、医学部定員は9000-10000人/年 程度まで増加するのが、現実的ではないかと思う。むしろ、現在の過剰労働を改善するためには、医師やコメディカルの業務の一部を医療技術職以外へ移動することに力を注ぐべきである。
以上の、指摘を実現するためには、病院の規模により手技料に大きな差を付け、大規模な急性期病院への診療報酬を外来、入院とも大幅に増額し、集約化の結果増加する人件費をまかなえるようにする一方、外来患者が、診療所や療養型病院を受診するように誘導することが必要である。
自治体立小規模病院の急性期病床は廃止し、診療所+老人保健施設や療養型病床に移行させる。但し、他に医療機関の無い僻地では、最低限の救急機能を残す必要はある。そして、その費用は、診療報酬で支えるよりも、社会のインフラとして、公的資金で賄うべきものと思う。
また、介護の現場を充実しないと、いわゆる社会的入院が減る道理は無い。施設介護にしろ、在宅にしろ、現在の介護業界は、もはや産業として成り立っていない。介護に携わる人材を確保できるだけの介護保険の給付額増が早急に行われないと、医療よりも早く介護体制が崩壊してしまうだろう。
最後に、政治家が行う必要があるのは、持続可能な医療、介護の仕組みを残すため、市民、有権者への負担ないし我慢が必要であることを納得させることである。税や保険料を大幅に増額しても、現在のアクセス、質、を保っていこうと考えるのか、税や保険料の増加は、最低限にして、アクセス、質の悪化を受け入れるかだ。但し、現在の職場環境は、医師、看護師とも甚だしく疲弊しており、現状が放置されれば医療そのものが、今の産科の様に崩壊していくことは避けようが無い。もはや、費用対効果を無視して、各自治体が病院を持つ時代は終っているのである。

TOP概要活動報告/ ご意見/ リンク

このサイトはリンク・フリーです。
Copyright(C)医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟事務局