医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

医療崩壊を憂い医療再生を模索する超党派議連の皆様に(Kさん・医師)

医療崩壊を憂い医療再生を模索する超党派議連の皆様に、同じ超党派組織として、医師新組織として心からエールを送ります。

 私達は医療供給側の当事者として、政治家の皆さん、市民の皆さんに、医療現場の実態と、医療の再生のために何が必要なのかを訴えたいと思います。

 病院でも診療所でも医療機関の医師達、医療従事者達が苦しんでいます。そして、老人が、リハビリ患者、妊婦、重傷患者さんが苦悶しています。医療機関の倒産は増え、病院、診療所の経営圧迫がかつて無いほどに進行しています。統計に表れない、診療所の自主閉院も激増しているといわれています。病院勤務医の多くが、過酷な労働環境に曝され、過労が放置されています。

 療養病床削減、リハビリ日数制限、後期高齢者の主治医制約、などなどで、多くの患者さん達が、満足な治療を受けられなくなっています。
開業医の多くは、度重なる診療報酬の減額により、零細企業主として従業員の給与を出せるかどうかギリギリの経営を迫られています。
勤務医達は、過重労働の放置と過度な医療安全要求と医療費抑制政策のトリプルパンチで疲弊しています。
重要なことは、連続勤務で救命に携わっている誠実な医師達が、選択的に【医療事故の責任者】として不当に取り扱われることです。

 医師達は、一方で赤字経営で沈み込み、一方で加重労働、訴訟不安と報道被害の不安の前に士気が低下しています。
 医師達がこのような状況では、ゆとりを持って患者さんの訴えを聞き、患者さんの痛みや悩みを十分に共感する事が出来るでしょうか?

 この国の医療サービスは、先進国並みだというのは、幻想です。救急車は彷徨い続け、療養ベッドを追われる患者さんは棄民されていく。医療費抑制による過酷な診療環境と過度の安全要求の挟撃とによって、患者さんを救いたいという医師達の初心は踏みにじられています。
これが、先進国日本の医療制度の実態です。

 私達は、医療供給側の当事者として、政治家に、そして市民に、訴えたい、と思います。健康な市民も政治家も、明日は病人なのです。先進国は、日本より多くの公的医療費を支出しています。それに比べてこのまま、安上がりの医療で病人を家族を困らせて良いのでしょうか?

 さて、
 医療費抑制政策を転換して、適正な医療費を確保するとどんな良いことがあるのでしょうか?

 まず、病気の人が、そしてその家族が元気を取り戻せるようになります。医療従事者の体力にゆとりが出来て、患者診療をより安全に行えます。
公共投資として医療費を増額することによって、多くの職種が必要である医療機関で、非常に多くの人間を雇用できるようになります。これは、他の公共投資と異なる重要な利点です。

 医療や医学に、この国にあった適正な予算を充てることによって、科学技術立国を目指せます。諸外国が日本の医療技術を求めてくるでしょう。医療費を伸ばすことによって、患者さんの笑顔を取り戻せるだけではありません。病院の充実や、創薬開発、医療機器開発、画像機器、検査機器など多くの産業波及効果も見込めます。

 医療崩壊から、医療再生に舵を切るために、我々医療従事者は、多くの市民、政治家と力を合わせたいと思います。
 超党派議員の皆様、シンポジウムに参集される皆様、是非、医療再生のために一緒に汗を流しましょう。

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