医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

公的病院改革と医師不足(Mさん・医師)

公的病院改革と医師不足

わが国の社会保障福祉は、間違いなく大きな歴史の転換点にさしかかっている。改革と称して、様々な競争原理が導入され、気が付いてみれば、人々の所得や資産にはっきりとした格差が現われ、そうした話題がメディアを賑わせるようになった。
経済成長の成果に“神の見えざる手”は働かず、“トリクルダウン”といった経済成長の成果が岩石の中を下にしみいるといった現象は、必ずしも明確ではない。
“社会関係資本”とも考えられる、人々の間の相互信頼や協力は、明らかに崩壊の一途をたどっている。救急医療の現場は、そのことの実証の場でもある。国であれ、政治であれ、本来社会の為にある制度に、社会を無理矢理従属させるが如き、倒錯した発想から我々は脱け出さねばならない。
現在の医療危機の第一の原因は、国の医療費削減政策による限界が露呈しているのが、間違いのないところである。
資料1にある如く、公的病院なかんずく(就中)市民病院は、全国的に経営の指標でみれば高コスト構造があり、特に人件費の分配をみれば、かなりアンバランスがあることは、周知の事実である。
又、一方、全国的に県庁所在地の公的病院は、非常に過密であり、大都会である程、この傾向は顕著であるように思われる。
従って、この部分を整理統合することによって、大学側の医師派遣能力はアップすることになるのではないか。
例:名古屋市内には、5つの市民病院が存在し、夕方 5時以降は救急車も受け入れ拒否、市内には市民病院も含めて21の公的病院が存在する。市の行政と県の行政との意思疎通は極めて悪く、この点は、国の強力な指導が求められる。
県内では、50名の医師をかかえるある市民病院で、救急医療も満足に出来ず、入院の患者が、心不全で救急車で他の病院へ搬送される事態で、その一方では、50名の医師がいる民間病院が、救急救命センターに名乗りを上げるこの差は、一体何であるのか。院内従事者のモラルも問われるのではないか。社保庁の労使関係と似たような構図もあるのではないか。
資料2は、三次の医療機能を備えた基幹病院
(医師205名、病床800床超)のデータであります。他地区の公的病院の機能不全により、夜間の救急対応に充分に対応することが困難となり、小児科などのウォークインも多く、小児科医のみでは対応不能、患者のクレームが増加、市内の二次救急輪番を脱退する事態です。
しかし、夜間救急の実態は、大部分自院の通院患者であり、大病院であっても現在の診療報酬体系では、外来に重点を置かざるを得ず、医師さえ充足すれば、経営面からみれば、対応したいという本音の部分もあると思われる。
問題なのは、財源中立の健前の基に、あっちを削ってこっちに付けかえるといった、姑息な制度設計であり、外来縮小して入院治療にシフト出来るような配分を総枠を増した上で考えなければ、医療崩壊はますます進み、国民間の連帯は失なわれ、国への信頼は、現在でも希薄化している状態は増強される事態になることは、火をみるより明らかである。
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