長崎県でも他県と同様に小児科や産科も医師不足で集約化が行なわれ(Hさん・医師)
長崎県でも他県と同様に小児科や産科も医師不足で集約化が行なわれ、また医師不在となっている地域がみられてきていますが、不足が問題化しているのはもはや産科と小児科に限った話ではなくなってきました。産科や小児科については小児科や産科に進もうという医師が非常に少なくなったことが原因ですが、医師が不足している診療科には同じような問題があります。
日本では、高コストや労働力を多く必要とする科、特に小児科では特殊技術が必要であるにもかかわらず、不採算になり、薄利多売を余儀なくされ、過重な労働環境が作り出されています。少なくとも技術料の大幅な増加で技術料中心の診療報酬とし、多忙とされる労働量に見合うだけの収益を出させ、緊急避難的にであっても高給優遇で医師の誘導を図ることが必要です。
加えて一次医療機関をとばして、専門医志向でいきなり二次、三次病院を受診する患者は後を絶たず、さらに小児科では小児医療費の助成制度もあって患者数も多いことが勤務医の多忙さに拍車をかけています。今の勤務医を守るのであれば、二次、三次医療機関は入院料や外来の初診・再診料を高額化して受診抑制をかけるべきです。当初は反対も出るでしょうが、今の国民は健康問題をすべて医療機関に責任ごと丸投げしており、その結果、日本は人口に対して患者数が多すぎる状況になっています。
全国的に呼吸器内科医が不足していますが、その原因もその勤務の多忙さにあります。同じ内科で同じ給与でも消化器や循環器などの他の診療科に比べ、患者数は圧倒的に多く、人工呼吸器管理が絡めば勤務は24時間体制に近くなります。当然のように他の内科に医師は流れ、減少に歯止めがかかりません。医師数の減少で残った勤務医師の労働量が増加し、それらの医師も楽な病院やリスクを承知で開業医に転身してしまうという現象が生じています。すでに多忙さは興味や意欲を超えたレベルで転職動機となっているのです。産科でもお産が24時間体制である中、拘束が医師のボランティアによってまかなわれています。
小児科や、産科を含む外科系の診療科ではそれに加えてリスクが高いことも医師不足の原因になっています。治ってあるいは無事に生まれて当たり前とされ、すぐに訴訟の対象になります。これは健康や医療を自分のことと考えない医療機関への責任の丸投げが一因になっていると思われます。死を受け入れられない非寛容・他罰的国民が暴言を吐き、あるいは訴訟を起こして医療従事者の心を折り、医療を崩壊させているのです。国家として死を受け入れられる国民に教育・誘導する努力が必要です。少なくとも医療に限らず、理不尽な要求を認容しない法整備は必要と思われます。
医療に業務上過失罪を持ち込むことも問題です。故意でない以上、刑事罰で過失事故は抑制できないことを真に理解し、医療に限らず過失罪を廃止にすべきです。刑法の存在意義は故意犯罪の抑止にあるはずです。にもかかわらず、その法律運用が理不尽な要求にお墨付きを与え、増長させている現実にも目を向けなければなりません。国民の同意が得られないという反論が多いですが、それは国民が考える機会やヒントを全く与えられていないのが最大の原因です。国民に周知させない政治に問題があることを認識し、広く国民に考えさせるようにする努力が必要です。真相究明や再発防止に対して過失罪は無益どころか有害です。処罰感情は民事で損害賠償として解決されるべきものですし、過失事故に行政処分は否定しませんが、反省や改善を求めて適用されるべきです。
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