医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

わが国は、世界一質が高い医療を格安な価格で提供してきた。(Kさん・医師)

病院経営者(医療法人・理事長)として。

 わが国は、世界一質が高い医療を格安な価格で提供してきた。しかし、「医療崩壊」という言葉で、その限界が見えてきたのである。

「質が高くて安い」を実現するためには…

 これまでの日本の政策が優れていたわけではない!世界一の質の高さは、単に医療従事者の倫理観と奉仕によって実現されてきたのである。そこでは、労働時間を無視し、休日すら満足に取れていなかった勤務の実態があったのである。それが、今、「勤務医の疲弊」という名で綻びが出てきただけなのである。

再度、「質が高くて安い」を実現するためには…

 私は、二つの解決策とその融合しかないと思う。
 一つは、医療の効率化である。私は、効率化の物差しは「時間」だと思う。患者の待ち時間、入院時間(期間)、記録・転記の時間、医療費請求の時間、さらには物流の在庫時間などを見直すことによって、効率化を図るものである。そのためには、IT導入、標準化に対して国が主導権をとって強力に推し進めなければならないだろう。ゆっくり協議しているうちにITの発達のスピードが勝ってしまうかもしれないのである。
 もう一つは、医療費、さらにいえば社会保障費の増額である。人件費率が高い医療では、増額なくして医療従事者の処遇改善は見込めないのである。
 米国のような奉仕や寄付という土壌がない日本では、欧州型の高負担高福祉政策しか、国民の安心をカバーできないのではないだろうか。そして、この社会保障費の増額は、従来型の行政の無駄を省くといった施策で間に合うのであろうか?否!そんな悠長なことは言ってられないのである。もうすでに、崩壊しようとしているのである。急性期の治療が必要な瀕死の重体なのである。ならば、高福祉と引き換えに欧州諸国から見ると極めて低率なガソリン税(一般財源)、法人税、消費税など“聖域なき税制改革”の実行を強く要望するものである。

 医療崩壊という言葉と共に、地域格差、地域崩壊などという言葉もある。医療が崩壊した所には人は不安で住むことができない。また、地域が崩壊して人がいなくなった所では医療機関は存在し得ない。医療崩壊と地域崩壊は一体のものであると心得たい。地域の生き残りのための政治課題として医療が極めて多きいものであることも理解願いたい。

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