医療崩壊を国民皆で食い止めるためには(匿名希望・医師)
医療崩壊を国民皆で食い止めるためには:
医師の退職・看護師不足による病院・診療所の縮小・休止や救急医療の搬送受入拒否等の医療崩壊が日本全国至る所で起こっている。いつでもどこでも安心して医療の受けられる国民皆保険制度も危機に瀕している。この問題の原因・要因はどこにあるのだろうか。医療現場を中心に現状を分析してみたい。第一は勤務医師の劣悪な職場環境・苛酷な勤務とそこからの退避である。診療現場は労働条件・環境の悪化〜医師の疲弊〜退職者の増加、新規希望者の減少〜医師不足〜労働条件・環境の悪化という悪循環が高速度で回っている。医師の過労死・過労自殺さらには当直手当の不払い等の労働基準法を逸脱した状態も生じている。第二は平成16年からの臨床研修制度と言われている。研修医の大都市への集中と大学病院希望者の激減である。第三は医療訴訟の増加である。医療過誤・事故の中には医療者側の原因によるものもあろうが、患者サイドの理不尽と思われる抗議・過大な要求等も多く、精神的・肉体的疲弊に追い打ちをかけている。第四は診療と直接関係のない雑務・雑用の増加である。その他多々あるが、これらの解決策を探ってみたい。この医療崩壊の現状打破には第一に医療資源を効率的に有効活用することである。まず近隣の自治体同士が地域の実情に沿って医療機関を集約化し、機能分化・専門分化した効率的な地域医療提供体制、すなわち一次医療から三次医療までの医療機関のあり方・配置・協力体制を構築することである。同時に職場・労働環境を改善し、当直明けの診療をフリーにするなど労働基準法を遵守した勤務体制の確立と医師研修・生涯教育の充実化を図ることである。これらの医療資源の効率的・有効的活用、職場・労働環境の改善および充実した研修・教育の提供実践には診療の標準化は勿論、今までなかった活発な人事交流も必要となってくる。この効率的な医療提供が地域住民への安心で良質な医療提供に結び付いてくる。さらに女性医師の就労率の向上、すなわち勤務継続と現場復帰は即効性のある一法である。そのためには当直明けの勤務フリーや夜間呼び出しのないティーム医療の実践等の勤務環境の整備と受け入れ側医療者の柔軟な現実的対応が大切である。我々国民は意識改革として、妊娠・出産・育児が医師 (女性・男性とも)としての診療生活を向上させるという事実を共有することである。また医療過誤等のマスコミ報道に際しては、医師個人を追及し真摯な診療意欲を削ぐので
はなく、
原因究明と再発防止を目指す視点からの報道に力を入れていただきたい。適切な医療のあり方等を冷静に中立的に判断し、将来の安心・安全な医療の発展を希求する報道をお願いする。
医学教育・医師の育成養成は大学病院・市中病院・地域の医療機関だけでなく、医療を受ける国民もその一翼を担っているとの自覚が必要である。行政・医療界・国民がお互いに納得ゆく話し合いをして医療崩壊の解決策を探ることである。医療崩壊の解決は最終的には日本の医療制度をどの様にするかという政治の問題である。今の医療は迷走している船に似ている。早急に医療問題の臨時行政委員会を発足させ、医療現場・国民の声なき声に立脚した議論を踏まえ、解決に向かうべきではなかろうか。
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