医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

良質な医療とは患者と医療提供者の間の信頼関係です。(Wさん・医師)

言うまでも無く、良質な医療とは患者と医療提供者の間の信頼関係です。それと、十分な考察、裏づけ(EBM)に基づき、患者一人一人の病状や生活背景を考慮したいわゆるオーダーメイド医療が理想なのだろうと思います。しかしながら、実際に医療現場に携わってきたものとして、今までこのようなものは存在せず、現状のままでは今後も存在し得ないであろうと思われました。今まで問題が無いかのように映ったのは、医療者側の頑張りと、患者側の寛容な精神があったからにほかなりません。この薄い氷のように脆弱なルールが過重によりひび割れてきてしまっているのが現状です。元々ぎりぎりのところで踏ん張っていたところへ、完全や最善を求められ、さらにその要求が結果に対してまでおよび、もう立ち行かなくなっているのです。
現場の過剰な負荷を知りながら、外に対して現状を訴えることなく、「患者様に選ばれる病院を!」をスローガンに更なる負荷を現場に与え続けた医療界の上層部、窓口を狭くしたまま診療報酬制度を武器に、現場の声よりも政策を優先し続ける厚生労働省や財務省の役人、科学的な思考が出来ず、現状を理解する事よりも罰則を最優先してしまう司法界、感情的な論調に終始するマスコミはとても責任が重いと考えます。この国の将来について真剣に考えているとはとても思えません。
医師会は会員の利潤を追求するばかりではなく、医者として国の医療制度がどうあるべきと考えているのかはっきりと示す必要があると考えます。医師会自らが将来の医療制度の試案を提示する時期に来ていると思います。
厚労省は、医療現場を無視した診療報酬制度改定を続ける理由を説明する義務があります。大局的にどうなる事を望んでいるのか。噂通り、包括診療制度から混合保険診療制度の導入を水面下で進めているのか。あるいは、全く見通しが立たないから小手先の手法に甘んじているのか。社会保障費の増大が国を滅ぼすかのような過剰な危機感の流布は正確なのか。さらには、社保庁も掌握できない組織が国全体の社会保障制度を維持管理できるのか、またその資格があるのか自省すべきです。
今日、裁判官や検察はあらゆる特権により守られすぎています。今日、司法による冤罪が社会問題化していますが、自省するどころか組織を挙げてもみ消しに奔走しています。病院の過失は罪に問われ、裁判所、検察、警察の過失は免責されるのは理解できません。前者の過失にはほとんどのケースで悪意はありませんが、後者は意図的に犯罪をつくり上げる訳ですから悪質です。組織に守られた個人又は小集団の極めて利己的な思考過程や行動は非常に危険だと思います。司法こそ厳しく第三者の目にさらす必要があると考えます。
そしてマスコミの皆さんへ。ただただ誠実な報道を願うばかりです。患者を画一的に弱者と呼び、医療現場の実態を理解しないまま医療者を悪と決め付ける報道は慎まなければなりません。報道の自由とは、言うまでも無くそれ以上の責任を伴います。今求められているのは正確な情報であり、スクープではありません。
医療は社会保障の根幹を成すものです。これが崩れてきたという事は、社会保障全体、ひいては市民社会そのものの基盤が崩壊し始めていることを意味しています。
年金問題、自衛隊(イージス艦)問題、道路問題、冤罪、治安の悪化と今日世間を賑わせている主な社会問題のほとんどが公務員、官僚にまつわるものであり、明治から続いた官僚政治が自壊してきたことを示しています。医療問題もこの支流に過ぎません。我々国民はこの時代の転換期に新しいシステムを構築する必要性に迫られているのだと思います。

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