医師に対する社会的な要求の高まりと、実際の環境や報酬のずれから・・・(匿名希望・医師)
私は、地方自治体病院を退職後、非常勤医師として引き続き勤務しながら、実家の継承開業している内科医です。
現在の医療崩壊、(医師の不足とモチベーション低下)は医師に対する社会的な要求の高まりと、実際の環境や報酬のずれから生じてきた可能性が1つ考えられます。全国的には小児科医、産科医不足が良く話題に取り上げられていますが、当地では逆にこれらは早くから拠点病院作りがすすめられまずまず機能していますが、むしろ現時点の問題点は内科医(特にcommon diseaseとして圧倒的に患者数の多い消化器科、あるいは専門医しかなかなか取り扱えない血液内科など)の不足です。これらはその疾患数が多いだけにもし問題が生じれば小児科医、産科医の問題とは比べようがありません。しかし確実に進行しています。
昨今の近畿地区の救急患者のたらいまわし(個人的にはこの表現は正しいとは思えませんが)は新聞報道で見る限り、産婦人科以上に消化器内科が専門とする消化管出血によるものが多いと思われます。また当地の和歌山県の南半分(紀伊半島南部)では来年から血液内科医が一人もいなくなります。
これらはあくまで結果であり原因は医師の精神的、肉体的な負担の増加(患者の権利意識の高まりと実際の業務内容の増加=承諾書等の作成やそれらに付随する…委員会という名の会議の増加)と、マスコミの一部の神の手と称する医師を特集し、何処でもいつでもこのようは医療を受けることができると患者に錯覚を起こさせる報道などにより、ある程度高度でリスクのある医療を行う病院の勤務医を追い詰めていることがあげれれると思います。
厚労省も何か医療問題が起これば現場の医師にさまざまなリスクに対する責任をその場しのぎで医師に押し付けるだけで根本的な制度改革を行っていません。
今のわが国の医療は欧米並みの成果と責任を医療者に負わせる割に、お金は出しません。
医師は本来、お金儲けをするために医療をしていません。一生懸命医療を行い、結果として報酬をいただきます。それは.やりがい.と言う実際の金銭報酬以上の報酬のようなものがあるからです。この医師本来の医療者としての動機(モチベーション)は小手先の医療報酬改正ではどうにもなりません。医師の数はいずれにしてもすぐには増えません。まず手っ取り早いのはこの医師のモチベーションを上げる施策を打ち出すべき事と思います。
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