医療議連に寄せられたご意見

医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟

医療議連に寄せられたご意見

医療制度とその現実から垣間見れる国の姿勢(Oさん・患者、患者家族)

医療制度とその現実から、国が、国民の生命と健康をどれだけ尊重しているかということが見えてきます。
しかし今、国民の同意が得られてスタートしたとは言い難い「後期高齢者医療制度」についても、医療現場の危機についても、国民は、国は我々の生命をないがしろにした政治を行っていると感じています。

医療問題に関して、一方の当事者である医師達はメディア上での発信を含めて強く医療現場の危機と医療崩壊を訴えてこられました。
一方、その間も一般国民は、救急車のたらいまわし、身近な診療科の閉鎖、医療過誤の発生といった厳しい現実にさらされたままです。
なのに、本来救われるべき対象者は誰なのかが棚上げになり、患者の苦情と訴訟が無くなれば医師は萎縮することなく現場の危機的状況は回避できるという話に中身がすり替わり、その論調に引き摺られる様に制度が変えられつつあります。
医師の増員を図るべきという意見や、診療科ごとの診療報酬の配分の再考等、前向きな動きもありますが、相変わらず患者側には強い逆風が吹いています。
それが決定的になったと感じたのが、四月に入って厚生労働省から公表された「医療安全調査委員会」案でした。
立場の弱い患者を守るという観点より、明らかに医師達の不満に配慮したもので、前向きな解決策から遠のいたと感じました。
この試案への意見を含め、夫を医療過誤でなくした遺族として、次の通り提言致します。

1.「医療事故調」を刑事事件化への防波堤、医師への免罪符とするな

現在の医療関係の刑事捜査は、迅速さを欠き、時効ぎりぎりに不起訴という結論が下ることも多いのが現実です。
警察の捜査が遅々としている理由は、①医療専門知識のない捜査官が担当している ②担当官は他にも強盗、強姦等の強行犯を扱う立場である ③人手不足等々、余りにもお粗末なものです。
最大の問題点は、処理能力のないところに問題を託しきりにしてきた国の無策にあります。
これでは長く待たされる原告側も不幸ですが、的外れの捜査に反発する医師達にもうなずけます。
しかし、責任追及よりも、再発防止に主眼を置く「医療事故調」のあり方は、単に医師達に免罪符を与えるだけのものになりはしないでしょうか。
警察に通知する重大なケースの線引きを巡って混乱は起こらないでしょうか。
そもそも医療に刑事対応はそぐわないという根拠もわかりかねます。
専門知識、発言権共に圧倒的に劣る立場にいる患者側を、保護、救済するどころか更に弱い立場に追いやることのない様、要望します。

2.「医療崩壊」を十把一からげに論議するな

医師達は均質な集団ではありません。
24時間勤務で疲弊している勤務医達の対極に、数多くの開業医、特殊な自費診療等を行う医師の存在があります。
診療時間外は門を閉ざし、適応外の患者が来ても高額な自費診療を勧める(主に整形外科、美容外科、歯科)等、自己の利益を優先させる問題医もおり、ぎりぎりの状態で精魂こめて働いている医師達と一緒に考えるべきではないと思います。
責任追及のあり方も、診療報酬のあり方も別に論議すべきです。
限られた財源をどこに振り向けるかです。

3.「人を診る」医療の再構築を

医療水準が上がり救われる命が増えた反面、「病を見て人を診ず」ということが専門化の弊害として起きています。
患者の基本的サインの見逃しから重篤な事態に陥ることも稀ではありません。

限られた字数では患者側の意見は語りつくせません。
今回の医療議連の取り組みが、高名で発言力のある方々の意見を追認するだけのもので終わることなく、真に国民の意見を広く吸い上げ、よりよい医療を実現する原動力となることを心から期待します。

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