医療議連に寄せられたご意見

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医療議連に寄せられたご意見

病院で続く、違法な労働慣行(Sさん・医師)

病院では、労働基準法が守られない、違法な労働慣行が続いており、勤務医が悲鳴を上げています。

労働基準法とは、労働者を使用する者が負うべき最低限の基準を定めた法であり、この基準に違反した使用者には懲役刑を含む刑事責任が負わされます。

労働基準法1条「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を充たすべきのでなければならない」の最低限の基準さえ満たさないとは、働く者の生存権すら危ういということです。
他人の生存権をすら脅かす権利の主張は、権利の濫用ではないのか、国も、国民も考えるところに来ています。

勤務医は、労働基準法9条に定める「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用されるもので、賃金を支払われるもの」に相当し、労働基準法の保護対象です。
”勤務医に労働基準法は当てはまらない”というのは都市伝説に過ぎません。
労働者として守られるべき最低限の基準を定めている労働基準法にすら反しているということは、その職場の存続すら、本来は許されないものです。

勤務時間についてみると、労働基準法32条の定める「労働時間の週40時間、一日8時間」が基本形です。
この部分を超えて病院が労働を要請するには、労働基準法36条に基づく労使協定(いわゆる36協定)を結ばないといけませんが、これは病院側の無作為、医師側の無知のため実施されていないのが大半です。
36協定がない限り、時間外労働の義務を労働者たる勤務医が負う法的根拠はありません。

いわゆる”当直”問題について考えてみます。

労働基準法41条3項にある「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」とする”宿直”で救急外来対応を含む当直を命じられている勤務医が多数存在しています。
”宿直”とは、ほとんど労働する必要のない勤務であり、労基法32条の基準となる労働時間にも参入されません。
厚生労働省通達(平成15年12月26日)で、『一か月中の日当直中、16日以上1時間以上の救急患者の対応に当たるもの』は、宿直許可を出さないものとされています。言いかえれば、宿直医を以て救急外来対応させている通常の一次・二次救急医療は違法性が高いということです

ならば、宿直とせず全てを勤務時間に算入すればどうなるでしょう?
1日8時間働いた医師には夜間勤務を命じることはできません。労基法32条の原則に戻ります。週40時間の規定も考えると、宿直を含む15~16時間労働を命じれば、平日に約2日間、休日を与えなければなりません。
これが法に基づく原則です

36協定があっても、労働基準法37条に基づく割増賃金を払わないといけません。
労働省の通達では、宿直で救急外来対応した時間について割増賃金を払うよう勧告しています。しかし労基法41条が満たされない以上、その当直時間帯すべてが労働時間に算入されるべきです。なぜなら、そのような過重な労働を強いられること、そのものが不適切であり割増賃金で補償されるべきものだからです。

今年の参議院予算委員会(平成20年3月14日)では、平成18年、1500の病院を労働基準局が調査し、1575件中、法令違反 1283件(81.5%)うち、労働時間に関するものが802件、割増賃金559件と高率です。

我々、勤務医が通常の労働基準法の適用を求めることが、医療崩壊に繋がり、患者の生命を脅かすことになったとして、医師は自らの生存権を犠牲にしなければならいのでしょうか?勤務医が悪いのでしょうか?

多くの勤務医が、自らの権利を留保して耐えています。
その猶予期間中に問題解決をしなければ、勤務医が逃げたことによる医療崩壊の責任は、国・国民にあります。

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