医療議連に寄せられたご意見

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診療関連死の原因究明から始める医療安全施策(医師・Wさん)

診療関連死の原因究明から始める医療安全施策
我々生存科学研究所 医療政策研究班は2007年11月に,政策提言「診療関連死の原因究明から始める医療安全」を行った.
提言の内容は冊子として各方面の関係各位に送付するとともに,ホームページに公表した.内容はこちら(http://www.dental-review.com/seizon/index.html)をご参照されたい.

【1.死因究明の目的】
診療関連死の死因の調査・分析は,医療事故の原因分析の端緒であり,その目的は当事者にとっては紛争の解決,当該医療機関・医療従事者や病院管理者にとっては再発防止に向けた自律的対処・処分,国民と医療界にとっては医療の安全と質の向上に資するものでなければならない.

【2.プロフェッショナルオートノミー】
医師は,自己の職業的行為を自ら厳しく律する行動すなわちプロフェッショナルオートノミーを求められており,それをもって初めて職業的自由を得ることができる.このため医療関係者および医療機関は,医療安全委員会の原因究明に進んで協力するとともに,その判定結果に,自ら自律的な再教育プログラム,積極的な再発防止策および公正な処分をもって応えるべきである.その成果は,医療事故再発防止のための国民共有の資産として,活用されなければならない.また,平時からの研鑽プログラムを制度化し,かつ事故時における自律的改善に努めることで,国民の信頼を確保する.
その自律的改善が不十分と見なされれば,医療界は,裁判や刑事の介入によってしか「真相」を究明できなかったことに対して,抗うべき根拠を持つことはできない.

【3.刑事責任の類型性の確立】
これまで死亡医療事故は,医師法21条により警察へ届け出られることから事故が「誰の」過失によるものかを追及されてきた.そのため,そもそもその事故が「何故」発生したかの根本原因の分析が十分になされず,再発防止策の策定に資することがなかった.刑事責任を追求しなければならない医療事故は,応報,秩序維持の視点から,そしてリスクを伴う医療行為が萎縮してしまわないように,厳格に類型化することを要する.
I. 故意または未必の故意がある場合
II. 証拠隠滅,虚偽診断書作成,カルテ改竄,届出妨害により,正確な調査が不可能な場合

第三者機関(仮称・医療安全委員会)構想は,以上の鍵となる概念を重視して,医療関係者の積極的な自律的活動を支援し,既存行政機関の整理・再組織化及び法改正等の整備をもって進めるべきである.

【おわりに.医療再生のための提言】
「医療基本法」「患者支援法/患者の権利と義務法」において,国民が医療を支える点を明確にし,患者の権利を明確にする一方,健康維持増進,予防の重要性を示す.医療を担う従事者の専門性,自立性を打ち出すこと,医療事故の原因究明と再発防止に対して国民的議論のもとで自律的かつ積極的に関与することを示さなければならない.
「医療安全委員会」については,厚生労働省とは独立した機関とし,医療事故収集事業との関連づけを整理しつつ,予期しない医療関連事故の究明のための体制を構築し,速やかに再発防止のための施策や提言が可能になるような組織にする必要がある.
一方で,メディエータや対話型ADRといった患者家族を支える人材の養成や制度的な支援も重要である.

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